株式会社阿地組

お客様との対談|HOME

お客様との対談 Talk with the visitor

鴻池組の現場に携わり半世紀以上

秋枝

阿地組さんは、主要な当社の施工協力会社で構成される「鴻友会」の構成会社の一員として、岡山地区の型枠工事についてはほぼ全ての現場入っていただいています。

阿地

先代である私の父の代からのお付き合いですから半世紀以上もの長きにわたり、取引させていただいていることになりますね。

秋枝

当社の岡山地区の型枠工事と言えば、阿地組さんにお願いする事が多い状態です。歴史ある阿地組さんに全面的な信頼を置いていて、これまでも、そしてこれからもご協力をお願いしたいと考えています。

阿地

岡山地方法務局の現場代理人を務めておられる秋枝さんにそう言っていただけると、当社の未来は安泰、明るいですね。

未来を担う人材を確保するために

秋枝

今、建設業は深刻な人材不足に陥っています。少子高齢化に加えて、若年層の就業率も低いため、職人不足が加速しています。

阿地

型枠工事も例外ではなく、工事をする職人(型枠大工)の減少が深刻化しています。鴻池組さんは採用難にはどのような対策を取り組んでおられますか。

秋枝

一つは高校生向けに現場見学会を実施しています。倉敷市の水島地区や新見市、津山市など、岡山県下で建築科や建築デザイン科、土木科がある工業高校の学生を中心に、建設業界やゼネコンの仕事内容を理解してもらいます、リアルな建設現場を見てもらう事で、スケール感や臨場感を体験できる内容になっています。

阿地

座学のみならず、現場を体験することは重要ですね。

秋枝

あとは大学生向けのインターンシップとして、実際の職場で施工管理職・設計職・研究職等に分かれてゼネコンの仕事を体感いただくこともやっています。これから就職する学生に向けて、現場を見て、感じて、興味を持ってもらうことが目的です。

阿地

当社では高校生を対象に出前の授業を実施しています。将来の担い手として期待される工業高校の生徒のみなさんに型枠の魅力を体感してもらうことが目的です。型枠は学校では教わらない仕事なので、どういうものかを知ってもらうために、みなさんの前で図面に沿って型枠を組み立てる作業を実演しています。

秋枝

すごいですね。反応はどうですか?

阿地

実演を直に見て、自ら触れることで、面白そう!と興味を持つ人も少なくありません。実際にハンマーで釘を打つ体験など、実体験を通じて型枠について理解いただき、モノづくりの楽しさを学んでもらっています。

適正な指導と評価でモチベーション向上

阿地

建設業に対する若い人たちのネガティブなイメージが人材不足に影響しているように思います。「職人」と聞くと、見習い期間がとんでもなく長そう、頑固で怖い人が多そう…と考えるのかもしれないですね。

秋枝

現場には世代も個性も色々な職人さんが大勢、集まって作業を進めていきますからね。当社では世代間の格差を埋めるべく、ジェネレーションギャップ研修を実施しています。現場での円滑な作業とチームワークの効率化を促すだけでなく、世代ごとの視点を学ぶことは若手社員にもメリットがあります。上司や年長者の考えを理解し、それに適応する能力を持つことで、キャリアアップにもつながるからです。

阿地

おっしゃる通り、指導を受ける本人たちのモチベーションをあげる工夫が必要ですね。当社では入社後、先輩職人からのOJTで技術を学んでもらいますので、教える人によってバラつきがないよう指導のマニュアル化を進めているところです。キャリアパスの見える化も同時に実現を目指します。指標を示し、適正に評価することでやる気につながる。出来ることが増えると、給料も上がり、技術も身につく、そんな環境を整備していきたいと考えています。

秋枝

「5年後にはこうなりたい」「来年にはこの技術を身につけたい」という目標を持つことは大事ですね。しかも、そこに給料アップが付いてくると、やりがいも断然アップします。

給料に休暇、希望が持てる、新3Kについて

阿地

設業界では「きつい」「汚い」「危険」という3Kイメージから、「給料が良い」「休暇が取れる」「希望が持てる」という新3Kに変わろうとしています。

秋枝

今の若い人はやはり給料が気になるみたいですね。高校生の現場見学会の質疑応答でも「給料はいくらもらえますか」という質問が毎回出ますから。鴻池組は若い人材の雇用・育成に力を入れています。
平均的な年功カーブではなく、若手ほど右肩上がりが急カーブです。旅行に行きたい、美味しいものを食べたい、車を買いたい…、若い人の欲望を叶えられよう、会社はかなり頑張っています(笑)。

阿地

私達は職人の世界ということもあり、年齢を重ねると給与が高くなる年功型賃金ではなく、成果主義をとっています。勤続年数は関係なく、本人の実力があればどんどん給料も上がっていく。だから若手であっても優秀な人は高い給料を手にしています。成果を適正に評価し、若手でも活躍できる職場であることを、もっと皆さんに知ってもらいたいと思います。

RC構造物は基本性能が高く、デザイン性に優れる

秋枝

鉄筋コンクリート造(RC造)の構造物を建てる際に施工される型枠工事は、建築業界でも非常に重要な役割を担っています。マンションやビル、学校や施設のほか、鉄道高架橋や橋、トンネルなど、コンクリートを使う工事は全て型枠が必要です。津波や洪水避難ビルなど、ハザードマップで緊急避難場所として指定される堅牢な建物はほとんどがRC造です。

阿地

東日本大震災では津波による被害が甚大でしたが、流失を免れたRC造の建物が多かったと聞いています。鉄筋コンクリートは重さがあり、基礎となる土台と一体化していることも影響しているのでしょう。建物を支える基礎、土台作りは、重要な部分。安心・安全という部分において「RCでなければならない」という認識があります。

秋枝

いくら技術が進んでロボット化して、建築がスマートな構造になったところで、型枠工事とコンクリート、鉄筋で構成されたRC構造物は絶対になくならないということです。

阿地

なくならないですね。コンクリート建築の歴史は古く、紀元前の古代ローマ時代のコロッセオも型枠コンクリートでつくられています。セメントと水を混ぜ合わせたものを型枠に流し込む型枠は、鉄筋など骨材を入れること以外、製造方法はローマ帝国時代から大きく変わっていないと言われています。

秋枝

それだけ信頼性が高いということですね。ましてこれから南海トラフ巨大地震などによる大きな災害が懸念されるなか、型枠工事のニーズはさらに高くなりそうです。型枠工事には型枠大工さんが必須、機械化はなかなかできないでしょう。

阿地

一つ一つの工事が全て違います。設計によってカタチがみんな違う。そういった自由度がきくのもコンクリートの良さでもあります。

秋枝

いかようなカタチにもなるということ。設計の先生が複雑なカタチを希望されたら即、RC造に決定です。

阿地

型枠の形状次第で、様々なカタチに成型が可能なため、曲線を描く建物をつくりやすいからです。意匠デザインに凝った商業施設などでRC造は数多く建設されてきました。

地域を創生していく、縁の下の力持ち

秋枝

建物がなければ、人は雨風を凌げないですし、工場などでも設備が野ざらしにされます。住宅や工場などの建物から橋やトンネル、鉄道などのインフラ設備まで、私たちの仕事は街をつくっているという誇りがあります。社会基盤をつくり、老朽化を防ぐ。高度経済成長期に集中的に建ったRCの建物も耐震対策を含め、建て替え事案が山ほどあります。我々が快適な暮らしを維持し、未来を支えていくということです。

阿地

暮らしに密着し、地域創生に関われる仕事であると。建物に人が住んだり、仕事をしたり、買物をしたり、安心して暮らしを営むことができるものを作ることが私たちの誇りであって、仕事を通してお客様に喜んでもらうことをやりがいに感じています。

秋枝

工場でロボットが車をつくるように、建物を作ることは不可能ですしね。何もないところから型枠大工さんや鉄筋屋さんがコツコツと一段ずつ積み上げて何十階もの建物が出来上がる。業界には型枠大工さんが不可欠ですね。

阿地

世の中に欠かせない存在ゆえに、型枠大工になるには時間を要しますが、頑張ってほしいと思います。型枠を作るには、図面を読み解く力が求められます。施工図や平面図を見て、寸法を読み、立体的な型枠の空間がイメージできると一人前です。一人前になるまでしっかりフォローしますので、ぜひ挑戦してもらいたいと思います。

MESSAGE

  • 秋枝

    建設業は皆さんが普段利用されている色々な建築構造物を作っています。安心して橋を渡ったり、安全にトンネルをくぐったりできるのも、全て建設業の力があってこそ。暮らしの質を上げていくこと全てに建設が携わっています。何十年とその場に立ち続ける建物を見ると「やりがいのある仕事だな」と感じてもらえると思います。ぜひとも建設業に関わって、「街をつくる」仕事に挑戦してみてください。

  • 阿地

    コンクリートで建設物を作る際に、コンクリートを流し込む前の型を作る型枠工事の仕事には技術と経験と知識が必要です。それこそミリ単位の精度が求められます。阿地組では一人ひとりが型枠のスペシャリストに成長するために必要な知識や技量の習得を全力で支援しています。街中でよく見かける仕事ではないですが、私たちの仕事は確実に世の中に貢献している。志高く働ける仲間と出会えることを楽しみにしています。